眠気は糖質が原因? 午後の生産性を高めるランチメニューを管理栄養士に聞いてみた

ライフハッカー[日本版]

眠気は糖質が原因? 午後の生産性を高めるランチメニューを管理栄養士に聞いてみた ライフハッカー[日本版]

ビジネスパーソンは、いつもシャキッとしていたいものですよね。しかし、お昼休憩を挟んで午後になるとだんだん眠気が...なんてことありませんか? 生産性を落としたくない私たちにとって、ランチ後の眠気はすぐにでも解決すべき「命題」ともいえるでしょう。

そこで、ライフハッカーは「午後も眠くならずにいられるにはどうすればいいか」を管理栄養士の浅野まみこさんにお聞きし、午後も眠くならないようなビジネスパーソンにとって最適のランチを提案しようと思います。

浅野まみこ(あさの・まみこ)

管理栄養士・健康運動指導士。総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8000人以上の栄養相談に従事。その経験を生かし、企業のコンサルティング、レシピ開発など多方面で活躍中。

編集部員の5日間のランチを見てもらう

Image: ヨコヤマコム

はじめに、ライフハッカー編集部員である筆者の平日5日間のランチメニューを浅野さんに見ていただきました。メニューはこちら。

1日目:ガーリックステーキ定食2日目:コンビニ明太温玉うどん3日目:魚介豚骨系つけ麺4日目:ブリの照り焼き定食5日目:コンビニのり弁当

会社の近くにあるお店の定食やコンビニで購入したものなど普段から食べているランチメニューです。それほど健康に気を遣うこともなく、ランチタイムも仕事に区切りをつけてからとる 、そのときに食べたいものをただ食べる、などが筆者のランチの実情ですが、果てして浅野さんの見立ては?

浅野さん:多くのサラリーマンの方より、食材の種類の多いものを選ばれていることもあり、割と意識が高いと感じられます。食べたいものを選んでいるとはいえ、いずれも、食材の種類が多いのは評価としては高いです。ただ、バランスが取れているかは、別の話になりますね。

確かに、選ぶときに少しでも種類の多いものがあればいいと考えます。とはいえ、やはりバランスがいいわけではないようですね。

では、一般的なビジネスパーソンのランチの傾向と課題について、さらに聞いてみました。

ビジネスパーソンが陥りがちな偏りや傾向

一般的なビジネスパーソンの方々が陥りがちなランチの偏りや傾向に関しては、大きく3つの問題点があるようです。

1つ目は糖質への偏り、2つ目は塩分が高くなる、3つ目は野菜がほぼ摂れない、この3点です。これらは、ラーメンや丼ものなどのランチメニューをついつい食べることが多くなるのが原因のようです。まず、炭水化物を多く摂ることで糖質過多、高カロリーになり、 同時に野菜が摂れないことにより、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が不足します。また、塩分や糖分が高くなることで、むくみやすく、代謝も悪くなり、だるさや体の冷えなどが出てきます。

こうした偏りが積み重なっていくことで、太りやすくなったり、疲れがとれないといった悪影響へとつながるようです。つまり、仕事における生産性も下がっていく、ということに...。そこで、改善するための方法を浅野さんに教えてもらいました。

Photo: 香川博人

浅野さん:改善策としては、まず第一に丼ものや麺など一品ものにしないということです。また、炭水化物に炭水化物をプラスする食べ方もNG。違う食材で数を増やすやり方で栄養バランスを整えましょう。

そして、 ポイントは野菜をプラスすること。特に調理をしていない野菜だと効果的で、ドレッシングをかけないサラダや添えものの野菜、味をつけていないおひたしなどが理想ですね。塩分を抑えられるだけでなく、野菜があることでよく噛んだり、他のものと食べようとして食べ方がゆっくりになります。

あとは、迷ったらご飯よりも肉か魚を選ぶようにしましょう。ビタミンは野菜にしか入っていないイメージがありますが、代謝や疲労回復、美肌づくりに必要なビタミンB群は肉や魚に多く含まれているのです。

食材を増やす、野菜を足す、肉や魚を食べる、こうしたやり方でなるべく栄養バランスを整えることが重要なのです。こうした改善策を行なっていくことで、偏りが減っていき、長期的な健康や仕事の生産性にも関わってくる、ということですね。

午後も眠くならないようにするためには?

・眠気のメカニズム

では、ランチ後の眠気に悩まされずに、午後も生産性を上げて仕事をするにはどうすればいいのでしょうか?

浅野さん:ランチを食べて1, 2時間後に眠くなる方は、基本的に糖質を摂りすぎていることが原因です。なので、糖質を抜く、あるいは減らすといいでしょう。糖質を摂るとしても、 分子の大きいものを選ぶこと。飲料に含まれるブドウ糖や果糖、また砂糖などは吸収が早く血糖値をあげやすい。麺類やパンなどの小麦粉と米で比較すれば、お米のほうが良いでしょう。また、食物繊維の多いものを選ぶことが大切です。ご飯は玄米を、パンも胚芽パンなどを選ぶというように。

ランチ後の眠気に関しても糖質の偏りが原因だったわけです。糖質の摂りすぎによる眠気のメカニズムは血糖値の上昇と下降に要因があるようです。

Image: ヨコヤマコム

糖質を摂りすぎる、細かい糖を摂っていることで発生するのが、血糖値の急上昇です。血糖値の上昇と下降は摂取してから1時間後にピークを迎え、その後の1時間で下降してきます。糖質を摂りすぎていると左の図のように、血糖値が急上昇し、その後急降下していきます。人は血糖値が下がってきたときに、眠くなったり、だるくなったり、イライラを感じたりするそうです。この血糖値の上昇と下降こそがランチ後の眠気の原因なのだそう。つまり、右の図のように、糖質をコントロールすることで血糖値の変動がゆるやかになり、眠気も起こりづらくなるのです。

・糖質のコントロール

糖質の摂取を減らすためには、浅野さんのお話のとおり、ご飯は玄米に、パンは胚芽パンに代替することで食物繊維を摂るのがポイントです。食物繊維は、油や糖質の吸収をゆるやかにする働きをもっています。さらに、血糖値の上昇をゆるやかにすることになるので、眠気を起こしにくくなるのです。つまり、野菜を意識的にプラスすることも糖質のコントロールに効果があるということ。

そして、肉や魚を選ぶことも大きな効果を発揮します。肉や魚に含まれるビタミンB群、なかでもビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きをもっています。夏バテ予防にも知られるビタミンB1ですが、このメカニズムは体内の糖質をエネルギーに変えることでパワーが出る、だからだるさや眠気が起きにくい、という仕組み。

午後も眠くならないランチメニュー

糖質の量と選び方、食物繊維やビタミンB1の摂取によってランチ後の眠気が起きにくくなることがわかりました。さらに、浅野さんに具体的なメニューに関しても伺いました。

・ヘルシーおでん

Photo: ヨコヤマコム

これからの季節にぴったりなおでん。おでんは確かにオススメだそうですが、注意が必要なようです。おでんは選ぶ具材によって大きく変わるからです。たとえば、練りものやウインナーなど高カロリーなものばかりだとNG。大根、こんにゃく、昆布、たまごなどを選ぶとカロリーも糖質も抑えられ、さらに食物繊維も含んでいるためとてもいいようです。

・カット野菜+サラダチキン

Photo: ヨコヤマコム

こちらはコンビニなどで100円くらいで買えるカット野菜とサラダチキンを組み合わせたシンプルなメニュー。カット野菜にサラダチキンをほぐしていれるだけ。糖質を抑えて食物繊維が摂れるのはもちろん、たんぱく質もとれるので満足度も上がります。

実際に筆者は試してみましたが、サラダチキンを混ぜることでカット野菜にも味がつくのでドレッシングもいりません。思った以上に満腹感を感じた一方で、その後は驚くくらい眠気が起きなかったのです。

この2つ、ぜひ一度試してみてください。

糖質は切り札として使う

Photo: ヨコヤマコム

最後に、ライフハッカーはこんな質問をしました。「即効性のある、瞬間的に集中力を高めるような栄養素はありますか?」それに対し、浅野さんはこのように答えてくれました。

浅野さん:パッとパフォーマンスをあげようと思ったらやはりそれは糖質です。この部分は血糖値の上がり下がりに関わっていて、血糖値の上昇によってアドレナリンやインスリンが分泌され、それによってその瞬間パッと覚醒するのです。大事なプレゼン前など、ここぞ!というとき摂取するとそのときのパフォーマンスがあがる仕組み。その後に疲れは出るのですが...。

ただし、普段から糖質に偏っていると血糖値の上昇・下降が常に起きている状態になってしまい、効果は薄くなってしまうようです。なので、普段から糖質を抑えておくほうが頭がキレキレになる、ということなのです。普段から糖質をコントロールして、ここぞ!というときに糖質を切り札として使うのがよさそうです。

総括すると、ランチ後に眠くなってしまうのは血糖値の急上昇と急降下によるもの。そのために私たちができることは、糖質を抑えてコントロールすることです。

そして、野菜を摂ることで食物繊維を摂取し、糖質の吸収をゆるやかに。そして、肉や魚を摂取し、糖質をエネルギーに変えましょう。

今回の取材で筆者は、短時間で済ませられる一品メニューが実は生産性において裏目に出ていたことを知り反省しました。これらを参考に、午後も生産性を落とさずに、日々シャキッとしていきたいですね!

Image: ヨコヤマコム, 香川博人

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